【第19話】山中湖林間学園 act3
「うわぁ!!! なんで先生ここで寝てんの!」
「ん?」
どうやら、朝まで子どもの部屋で寝てしまったようです。
2日目は、富士登山です。
初日にお中道ハイキングしたのに、宝永火口に行きます。
出発前の打ち合わせでのこと……
引率補助の先生が
「ちゃんと登山したいよね 、※宝永火口に行ってみたい!」
すると、牧先生が
「いいですねぇ、2日連続で山歩きすれば、子どもたちもすく寝るでしょうし」
ということで、決定。
ねえさんは絶句したままでした。
【 ※宝永山(ほうえいざん)は宝永4年(1707年)の宝永大噴火で誕生した、富士山最大の側火山である。標高は2,693m。この宝永の大噴火以降は噴火していないため、この宝永山が富士山の最新の側火山になる】
出発前にちゃんと調べ学習しました。
実際に目にした宝永火口は、ダイナミックな景観と、今もなお生命活動の限界状態が続く、まさに極限の世界が広がっていました。
「地面触ってみ」
「?」
「火口だぜ? あったかいだろ?」
「…あったかい!」
「先生! 記念に溶岩持って帰っていい?」
「捕まるぜ?」
富士山の石を持って帰るのは、自然公園法によって罰せられる。見つかると懲役6ヶ月または50万円以下の罰金が科される、結構重い罪になります。
「せんせ〜 歩きにくいよ〜」
足元はザラザラとした火山岩です。確かに歩きづらいです。
「歩幅を小さくしてさ、足の裏全体が地面につくようにしてごらん」
なんてアドバイスも無駄…
みんなズルズルと土煙をあげながらも無事に下山しました。
2日連続で山道を歩くなんて、なかなか経験できないですし、天候にも恵まれ、気持ちの良い山歩きでした。
さて、宿舎に戻って夕飯。
子どもたちは本当によく食べました。
オレはもっと食べました。
風呂も昨日と同じくはしゃぎ…
いよいよ、きもだめし♡
コースとなる宿舎近くの森を、明るい時に学年全員で下見をしたのですが、夜になると怖いのなんのって…
お化け役の子たちもスタンバイし、きもだめしスタート!
「わっ!!!」
という声とともにフラッシュが!
写真屋さんでした。
驚いた顔を撮るという…さすが!
オレも負けてらんねぇ♬
人を驚かすのって、なんでこんなに楽しいんでしょう♬
今夜も反省会かぁ……
子どもの部屋で寝ないようにしなきゃ♡