【 ブログ ライトノベル 】ありがとう、先生って呼んでくれて。

教師は生徒に恋をしろ、そしてその恋、忘れるな。愛する人を忘れない限り 、人は道を踏み外さない。

【第22話】究極の選択

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夏休みが終わり、またにぎやかな声が教室に戻ってきました。

 

 

席替えや係決め

 

国語は「夏休みの思い出スピーチ」

 

体育はプール

 

総合は「山中湖林間学園」のまとめ

 

理科は顕微鏡をいじるだけ

 

算数は計算のきまりを見直すだけ

 

 

これは、そろそろ教材研究しなければ!

 

 

 

 

 

 

少しの準備でじっくりできる指導を!

 

 

 

 

 

いいのがありました……

 

 

国語



 

「立場を決めて討論しよう」 

” 論題に対して二つの立場に分かれ、互いの主張とその理由を明確にしながら、計画的 に討論をすることができる ”

 

 

 

 

 

これだ!!

 

 

 

 

 

教科書を読んで1コマ

 

討論会のルールを決めるのに1コマ

 

議題を決めるのに1コマ

 

議題は5つにして、討論会を5回

 

ひとつの議題につき1コマで5コマ

 

学習の振り返りで1コマ

 

 

 

これでしばらく国語の教材研究をしないで済む♡

 

 

 

「討論会やるぞぉ!」

 

「なんなの? 討論会って?」

 

「そうだな……カレー味のウ◯コと、ウ◯コ味のカレーどっちがいい?」

 

「ウ◯コ味のカレーに決まってんじゃん!」

 

「「「 選ぶのかよっ! 」」」

 

「だって、ウ◯コ味でもカレーはカレーじゃん!」

 

「オレはカレーがいい」

 

「ねぇ、りゅうじ……ウ◯コ味だよ?」

 

 

 

……なんか、勝手に盛り上がり始めました。

 

 

「ちなみにオレもウ◯コ味のカレーがいいけどな」

 

「もう先生っ! 今日の給食カレーだよ!」

 

「ごめんごめん。ということで、司会を決めたり、オブザーバーも決めたり、もちろん議題はみんなで決めよう」

 

「オブザーバーってなに?」

 

「討論会には参加しない人で、どっちの発言が良かったかジャッジしてもらう」

 

「なにそれー! おもしろそー!」

 

「もちろん、じゅんばんこでね」



 

議題はなるべく賛否半々になりそうだなと思うものを考えるように、宿題を出しておきました。

 

 

 

ーーーーーーー次の日

 

 

 

「さて、討論会の議題を決めようか! 考えてきた議題を各班で2つにしぼってあとで発表ね。その中から5つ、みんなで選ぶことにしようか」



班ごとに決める段階で、なにやら討論会が始まっているようでした……



「キティとミッキーどっちがいい?」

 

「男はどっちも選ばないよ!」

 

「じゃ、よしとは何かあるの?!」

 

「マリオとルイージ※とか…」

 

「はい、次」



【※ルイージ任天堂が誇る世界的人気ゲームキャラクターの一人。マリオの双子の弟。赤色のマリオに対しルイージは緑色をしている。初登場は1983年のアーケードゲームマリオブラザーズ」である。マリオの色違いの2Pプレイヤーとして登場】



「りゅうじは宿題やってきた?」

 

「うん」

 

「じゃ、なに?」

 

「カレーとラーメンどっちがいい?かな…」

「りゅうじはカレーでしょ?」

 

「……うん」

 

「昨日言ってたじゃん……」

 

「でも、ウ◯コ味じゃないやつ」

 

「それ、もういいから……ね」




どの班もこんな感じでした。



何とか決まった議題は……

 

・夏と冬どっちがいい?

・犬と猫どっちがいい?

・都会と田舎どっちがいい?

・大人と子どもどっちがいい?

・海と山どっちがいい?



「先生! 楽しかったからずっとこれやろうよ!」

 

ごめん、それはムリなの。

 

授業時数ってやつがあるから。

 

また、教材研究しなきゃな……