【第4話】ターニングポイント ver.2
酔った勢いからか、岡本先生を「ねーさん」と呼ぶようになってしまった。いまさら元に戻せない。こんな風に親密になれる飲み屋の学年会はいいかもしれない。
自分の仕事が進まないけど…(T_T)
もう一つ変わったこと。それは…
オレの服装。
初任の頃はずっとスーツで通勤してたけど、もう普段着でいいやと…
通勤も授業もすごくラクになった。スーツの上にジャージを羽織るという、教員特有のスタイルもしなくていい。髪の毛の色も少し茶色く戻したし。
着替えるのは体育のときや、保護者会や個人面談、行事関係などのイベントのときだけ。もちろん、髪の毛は茶色いまま。
別に管理職を目指しているわけじゃないから、そんな格好では出世できないぞと言われても平気だし。
何より、人を見た目で判断してはいけないとよく言うし。
スタイリッシュな服は持ってないから、デニムにTシャツ、足元はスニーカー。しかも、通勤時はリュックを背負って、ゲームボーイ※をいじっているという…
もう、職業不詳。
【※ゲームボーイ:1989年4月21日に任天堂が発売した携帯型ゲーム機。任天堂が2003年2月14日に発売した携帯型ゲーム機。オレが遊んでいたのは「ゲームボーイアドバンスSP」で、 ゲームボーイの次に発売された「アドバンス」、その上位機種として位置付けられている。】
だから、授業の合間に子どもたちに聞いてみた。
「オレ、何やってる人に見える?先生に見える?」
帰ってきた答えは…
「大学生みたい」
「先生には見えない」
「つーか、変なおじさん」
おじさんっていうなぁーーー!!!
まだ自覚してないんだからぁーーー!!!
ウォルト・ディズニーも言っています。
人はいつから子どもでなくなるんだい?
「加齢臭がしてきたら」
「ハゲてきたら」
「お腹が出てきたら」
「つーか、ハタチからじゃん?」
ふん。どれも当てはまってはいないじゃんか。
年齢ぐらいだぞ。
くやしくなんかないもんねー。
ばーかばーか。