【 第13話】ディズニーの秘密 act1
みんな大好き
夢と魔法の国ディズニーランド。
子どもたちの持ち物も
ディズニーキャラクターばかり。
「ねぇねぇ、先生!」
「チップとデールって知ってる?」
「あぁ、あの2匹のリスでしょ?」
「どっちがチップで、どっちがデールか知ってる?」
「オスがチップで、メスがデールだろ?」
「ちがうよー、濃い茶色がチップで、鼻が赤いほうがデール♪」
「ふーん」
「覚え方はね『チョコチップ(茶色)食べて、鼻血デール(鼻が赤い)』ね!」
「で、どっちがオスで、どっちがメス?」
「………。」
「なんだよ、知らないの?」
「可愛いからいいのー♪」
答えになってないけど……
休み時間にこんなやり取りで盛り上がってしまい、ついつい3時間目のチャイムが鳴ったにもかかわらす、ディズニートークは止まりませんでした。
まぁ、いつものことですが…
全員が揃ったところで聞いてみました。
「みんなの漢字ドリルの表紙って、ミッキーさんじゃん? そんなに好きなの?」
「先生たちが決めたんでしょ!」
そうでした。新年度のはじめに……
「ドリルどれにするー?」
「中身大して変わんないからね」
「じゃ、ミッキーさんにしよう♪」
と、先輩方が表紙で選んだのでした……
「ミッキーさん嫌いな人っている?」
男子は「どうでもいい」「好きでも嫌いでもない」「ディズニーランドは好き」なんて答えていましたが、ミッキーさんを嫌いな子はいませんでした。
「ミッキーさん、上半身裸じゃん? ズボンしか履いてないんだぜ? いいのアレ? もし、オレが赤い半ズボンしか履いてないで授業してたらどうよ?」
「「「「「キモいー!!」」」」」
いやいや、ミッキーさんはいいのかい。世界的な人気者は得だな。こうなったらディズニーの魔法から目覚めさせてやる。
「じゃあさ、なんで、ミッキーさんは上半身裸か知ってるか?」
もう、止まりません……
3時間目は国語なのに……
話し合い活動でいっか。