【第12話】好きな人同士 恋愛のススメ.+*:゚+。.☆
「いつになったら席替えするのぉ?」
新年度がスタートしてから席替えするの忘れてました。
始めは名前を覚えるために50音順にしていました。
” 3日で覚えっからよ! ”
なんて、言いつつ忘れてました…
席順なんてどうでもいいんですけど、子どもたちは飽きてしまうようです。
だから、日直が一巡したら席替えをするつもりだったんですけどね。
二巡目に入ってました…
席替えのルールとしては
座席は必ず男女が隣になること、これだけ守ってくれたらいい。
男女が仲のいいクラスは雰囲気もいいから
もちろん、黒板が見づらいとか、オレの声が聞き取りづらいとか、オレを近くで見ていたいとか、ずっとそばにいたいとか、そういうところはすっごく大事だけど。
さて、席替えの方法にはいくつかあります。
1.くじびき
いわゆる「くじ」、あみだくじもある。くじをつくるのがめんどくさい。
発表を盛り上げようとすると、ついつい楽しくなり、時間がかかる。
2.お見合い
男子(女子)が廊下で待っている間、女子(男子)は相談して席を決める。
決まったら交代する。決まったら、一斉に席移動する。
3.指定席
オレが決める。
ノークレーム・ノーリターン。
いろんなコントロールが可能だが、敵を作る可能性がある。
4.フリー
ルールは男女隣同士のみ
時間制限あり
あとは勝手にどうぞ
「で、どうやって決める?」
「くじびきー!」
「お見合いー!」
「好きな者同士ー!!」
( ̄ー ̄)ニヤリ
「ちょいちょい、なおやくん、好きな者同士かぁ♡」
「その ” 好き ” じゃないよ!」
「別にいいんだぜ?その方が盛り上がるじゃん♡」
「やだよ、言うわけ無いじゃん」
「つーことは、このクラスにいるんだね♡」
「いねーよ!」
「なぁ〜んだ、つま〜んね〜の〜」
このやりとりをしている間、美沙がキラキラした目でずっとオレを見ていました。
「アタシ、好きな者同士でいい!」
これはどうやら ” 好き ” な者同士です。
ここで、肉食系女子の彼女だけにチャンスをやるわけにはいきません。
他にもライバルがいそうだったから。
「じゃぁ、席替えの方法は、明日の朝にでも多数決を取っといてくれ」
登校してから職員朝礼が終わるまでの時間は「読書タイム」として、静かに着席してオレが来るのを待つということにしているのですが、このように「学級会」をやらせることもよくありました。
…で、結局くじ引き。
すでに「くじ」も作ってありました。えらすぎる。
「ねーねー、オレのくじもある?」
「先生のはないよ?」
「オレも席替えに混ざって、教卓※も移動させて、教卓の場所も座席のひとつにしようか!」
「絶対おかしいでしょ!」
おもしろいと思ったのですが…
いつか必ずやってやろう。
【※教卓:教室の前にある教師用の机。1996年4月にフジテレビ系で放送されたドラマ「みにくいアヒルの子」では、教室の真ん中に教卓を配置していた。主演は岸谷五朗】
「じゃ! 一斉に! おーぷーんっ!」
黒板に書かれた座席表を確認しながら席移動!
「一番前じゃーん、やだなー」
「んなこというなよ、オレをそばに感じられるぜ?」
「別にいいし」
「本当は嬉しいくせにぃ〜♡」
「うざい」
いつか必ず教卓の場所に座らせてやる!